ACCインタラクティブ部門審査しました

審査しました。
ちょっとみんな見てくれ。この受賞作品数を。
インタラクティブ部門:GP1 金0 銀4 銅3 ファイナリスト5。

他の部門はどうか。
テレビ部門:GP1 金9 銀10 銅22 ファイナリスト63
ラジオ部門:GP1 金3 銀4 銅12 ファイナリスト36
はじめての、ACCインタラクティブ部門。ちょっと受賞作が少なすぎやしないか。応募総数比率で考えるという手もある。しかし「ゴールド0って、どゆこと?」とお嘆きの諸兄も多いかと思う。
これはひとえに、インタラクティブ広告業界の迷走っぷりを現している。
と思う。
もともと、2004年ごろから世界的に、日本のインタラクティブ広告は全盛期を迎えた。
「国際広告賞・なんだかわからないけどポンポン獲れちゃう現象」だ。
CM業界や広告グラフィック業界の大先輩たちが「俺たちがいくらがんばってもなかなか手が届かないんだよねー」と、いわゆるカンヌだとかワンショウだとかの「すごい賞」が、日本はさくさく受賞できてしまう一時代があった。かくいう私も、さくさく受賞できてしまって「俺すげえかも」と誤解して、独立してしまったクチである(いや冗談です)
この現象には、いくつかの要因が重なっていた。
Flashという、デザイナーでも安直にプログラミングができるソフトでつくる「スペシャルサイト」が業界標準になっていたこと、日本語が伝わらないから非言語的なコミュニケーションをしたこと、圧倒的なクリエイティブで業界を牽引した中村勇吾氏の存在、もともと細部の緻密な部分までこだわりクオリティを上げるナショナリティ……そして、東京インタラクティブ・アド・アワードというコミュニティに似た登竜門の存在だ。
これらが、ここ数年で、すべて失われてしまった。
iPhoneの台頭でFlashの価値が下がり、Objective-CやPython、WebGLやUnityなどフロントエンドに必要とされる言語が多岐にわたるようになった。スマホの台頭により、スペシャルサイト文化がほぼ消滅し、かわりに月ウン十億かせぐソーシャルゲームにエンジニア人材が流出した。ムーアの法則でCPUがどんどん優秀になり、3D表現をはじめとする表現技術の飽和。
アワードが、応募ビデオばっかり見られるビデオ文化になって、また非言語→説明の世界になったこと。インターネットが広告ビジネスで、いよいよ主人公になっていったこと。「70%のコアビジネスと20%のキャンペーン、10%のクレイジー」の「クレイジー担当」だったインタラクティブが、よりマトモなコミュニケーションを求められはじめた。
そして、コミュニティの消失。
登竜門がなくなれば、ヒーローが不在になる。若者の下克上がなくなる。批評がなくなる。
ACCのインタラクティブ部門復活は、この暗黒時代を挽回しうる、大事な契機のひとつだ。
……などということは、審査員たちの間でも議論され、「そうだそうだ!」「新しい可能性に賞をあげよう!」と酒を酌み交わしながらトキワ荘の夜のごとく熱く語られた……。
で、結果がこれである。
この混迷した業界の作品群のなかに爆誕した「Sound of Honda」をのぞいては、「イマイチゴールドっぽいものがない」ということなのである。
私は、こんなにスノッブじゃなくてよかったんじゃないかな、と思う。
だって、この結果を見てクライアントが「こういうのウチでもやれないかな」と思ったり、若者が「こういうものが穫れるのか。すごい。俺だって」と指針にするものだからだ。この受賞結果は、業界の迷走を色濃くあらわしていると私は思う。
……などと不景気なことを言っているが、審査会は、非常にエキサイティングな場だった。政治的にならずフェアに。なるべく、世界の広告賞を受賞したものより、見たことがない、評価されたことがないものに賞をあげたつもりである。
来年は、もっといっぱいあげようよ。

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