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2012年12月 Archive

家入さん「こんな僕でも社長になれた 新装版」は買い

  • Posted by: nakamura
  • 2012年12月10日 05:53

Liverty家入さんから、突然「こんな僕でも社長になれた」の新装版がとどいた。
以前、購入しようと思ったら、絶版ゆえかアマゾンで3,000円超の高値になっており、Twitterで「高くて買えないっすよ」とリプライしたのを覚えていてくれたのだろう。

新装版 こんな僕でも社長になれた


毎年、「インタラクティブ大喜利」というイベントの席でしか会ったことがない家入さんだが、
やっと読めたので、感想を書きたくなってしまった。

これこそ買いだ、と思った。

家入さんは最近こそ「もっと自由に働きたい」とか出してLivertyで若者を牽引してブイブイ言わせ続けているが、
彼の思想の原点、神髄はここにある。
どの経営者の経営学ノウハウよりしびれる。実践的かもしれない、とすら思う。

この本は、彼の七転八倒の半生記だ。
ヒトはどうあってもヒトの歴史や物語が好きな生き物。「こうしなさい」と箇条書き的に書かれたマニュアル本より、よっぽど楽しく読めて、終わったあとに残るものがある。


この本で、ぼくが共感した部分は、「別れや出会いが、人の根っこをつくる」という話。
一見、それは無意味なものに見えても。

ぼくは、家入さんと同い年(33)であるが、栃木生まれのクソガキが、22歳のときに、突然広告業界にワケがわからないまま飛び入りし「バナー広告のクリエイティブ」の能力に恵まれた。つくるものつくるもの、カンヌやらなんやらの世界的に有名な賞で金とかグランプリとかを受賞し、イギリス人の審査委員長に「envious」とか言われて、英単語の意味を辞書で引いたこともあった。

でも、それからSEMの台頭とか、ネット広告をめぐる世界の趨勢とかいろいろあって、
ぼくは、おもしろバナーをつくるのをいっさいやめた。
やめた上、会社も独立した。
いままで持っていた武器は使わず、新しい仲間と、装備を探した。

装備を外して思うのは、「自分の根っことは、何だったっけ」ということ。
人間とは、どんなに偉い人でも、基本的には、水とたんぱく質やアミノ酸などの炭素化合物であり、
せいぜい2000〜3000円の価値しかない。
さらに、宇宙から見たら、時間軸・空間軸から見ても、単なる塵芥だ。

ブイブイ言わしているときは、なんか自分を高く見積もっちゃうけど、
身ぐるみはがされてみると、なんだ、そのくらいのものだ、というところに立ち返る。

絵がうまい人とか、手に職持っている人のように、顕在的なスキルがあるわけではなく、
ドラクエのレベルや装備のように、わかりやすく数値が上がって行くわけじゃない。
ぼくは、当時に得たカンと人脈で、現在のしごとをなんとかこなしつつ、「ああ、炭素化合物だなあ」と自虐しながら新しい何かを探しているところだ。

たぶん、家入さんも、ペパボから退いたあと、
カフェとかキャンプファイヤーとかやりながら、「やっぱオレってなんなんだっけ」と自分が世の中に残していくモノの価値、ということにもう一度真っ向から対峙したんじゃないだろうか。

ウチの会社は、ちょっとしたハザカイ期にきている。
広告屋の出身が多いので、つい広告のビジネスモデルで、その場その場で面白いことを考えることに集中してしまういっぽう、
「OMOTE 3D SHASIN KAN」や、リアル脱出ゲームオンラインテクネなど、育てたいコンテンツをチョコチョコやれてきた。
また、つくるモノは「あれ?PARTYってこんなもんだっけ?」とも思っていて、ワクワクできて自分にしかできないモノをもっとハングリーに模索しなければなあ、などと思っているところ。


たぶんそれは、ぼくだけじゃなくて、いま、自分の現状に満足していないみんなも、
きっと今やっていることは、自分の根っこにつながっていて、
それは見えないけれど、ぜんぶ未来の何かにつながっている。
それが何であっても、「逃げる」ことであっても。
ぜんぶつながってるから、安心していいよ、逃げたっていいんだよ、
そういうことを、教訓じゃなくて体で言っているように思えた。

噂にたがわぬ、すんごくいい本でした。買いです。


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